2023年03月09日
コラム

産業用ロボットのグリス交換とは FANUC編

 

 

目次

1. グリス交換の必要性

2.FANUC製ロボットのグリス交換の作業内容とは

3. 排出後のグリスから鉄粉濃度測定

4. 内製と外部委託で比較

5. 作業時間

6. まとめ

 

 

1.グリス交換の必要性

 

多角軸ロボットは、動作スピードが速く自由度が高いロボットとなります。

その為、産業用ロボットの中でも、特に複雑な形状の製品の加工や高精度な作業が必要な場面で活躍しております。

高速スピードで複雑な動作をするロボットの重要な機構部品となるモーターと減速機の延命・予防保全として、

グリス交換は最低限必要な項目となりますので、このページではFANUC製ロボットに焦点を当ててグリス交換作業の

ご案内をさせていただきます。

 

 

2.FANUC製ロボットのグリス交換の作業内容とは

 

FANUC製の多角軸ロボットの可動部には、6つの軸が存在します。

この軸はモーターと減速機で構成されており、減速機の内部にはグリスが使用されています。

グリスは潤滑油の役割を持ち、粘度の高い半流動体の精密減速機用グリスや液状のグリス等があり、軸や機種により使用

されているグリスの種類は様々です。

これらのグリスは使用年数が経過すると、酸化や鉄粉(ギヤ同士が擦れて発生)が混じり合うことにより劣化していきます。

グリスが劣化した状態でロボットを稼働し続けた場合、減速機やモーターに通常以上の負荷がかかってしまい、減速機や

モーターの摩耗・劣化を早めてしまいます。

減速機やモーターは高額な部品であり、早期故障により高額な修理コストが発生します。また、納期が2週間以上かかってしまう

ケースもある為、ロボットの復旧までに時間がかかってしまい生産の機会損失が発生するといった生産停止のリスクもあります。

これらの修理コストや生産停止のリスクを防ぐためにも、劣化したグリスの交換やグリス給脂が必要となります。

グリス交換を定期的に実施することにより、減速機やモーターといった消耗部品の延命が可能となります。

特にFANUC製ロボットは、部品供給期限がない為に長期的に活用することができ、よりグリス交換による部品の延命が有効となります。

FANUC製ロボットのグリス交換周期は、メーカー様にて3~4年周期を推奨とされています。

機種や稼働率、ロボットの用途で交換周期は前後する為、周期や実施時期に関しましては弊社までお気軽にご相談ください。

 

 

3.排出後のグリスから鉄粉濃度測定

 

FANUC製ロボットのグリス交換時には、グリス内の鉄粉濃度測定を実施します。

測定器を使用して、排出したグリスに含まれた鉄粉を測定することで、減速機がどれくらい摩耗をしているかを確認する作業です。

鉄粉濃度が規定値を超えている場合は、減速機の交換を推奨させていただいております。

減速機が摩耗しきっている状態でロボットを使用される場合、減速機のガタにより位置ズレが発生してしまったり、減速機の突発的

な故障によるロボットの停止が考えられます。

鉄粉濃度測定により数値として減速機の摩耗度合いを確認することで、減速機の突発的な故障を未然に防ぎます。

 

 

4.内製と外部委託で比較

 

企業様によっては、自社内で実施されているケースとロボットサービス・メーカーサービスにて外部委託されているケースの2パターンがあります。

 

•自社内で実施する(内製)

外部委託の費用が発生しないことがメリットとなりますが、作業担当者様の人件費・取り揃えるべき備品代等のコストや作業時のリスクが

少なからず発生します。作業時のリスクとしては、グリス交換の周期は早くても3年前後である為、作業を実施する担当者様が作業手順が

曖昧になってしまっている等の技術的な部分が挙げられます。

 

•ロボットサービス・メーカーサービス(外部委託)

外部委託による作業費用が発生しますが、作業人員の確保や作業リスクがなくなります。

 

グリス交換の作業費用に関しては、自社内で実施するよりもトータル的に安く収まるケースが多い為、まずはお気軽にご相談ください。

下記のページにて、弊社で実施させていただいた事例をご紹介しております。

 

実績

 

 

5.作業時間

 

FANUC製ロボットは、機種(可搬重量やアーム長)によりグリスの交換が必要な機種とグリス給脂のみの機種がございます。

機種や各軸によって構成されている減速機が異なる為、使用されているグリスの種類や量も機種によって異なります。

作業内容が変わり作業に要する時間も変わる為、一概に作業時間をお伝えすることはできませんが、下記の作業時間が

おおよその目安となります。

 

◆可搬重量が10kg未満の小型ロボット:2時間

◆可搬重量が50kg未満の中型ロボット:4時間

◆可搬重量が50kg以上の大型ロボット:6時間

 

グリス交換・グリス給脂作業に最大6時間も要する理由としては、新しいグリスに交換・給脂するだけではなくエイジング(グリスを

なじませる為の運転)や圧抜き(内圧の調整)等を行う為です。

内製化されている企業様の中には、保全担当者様が最大6時間の作業時間を確保できないということで、保全代行としてご依頼いただく

ケースも多々あります。

 

6.まとめ

 

弊社では、平日・休日・大型連休での対応が可能となっており、お客様のご要望に合わせて作業を実施させていただいております。

下記画像のクリックから、機種毎で使用するグリスの種類や作業方法をお応えしておりますので、お気軽にご相談ください。