2012年05月30日
実学習

“ワイヤの突き出し長さ”による溶接不具合について

今回はチップ先端から出ているワイヤの突き出し長さによって発生する溶接不具合についてです。ワイヤ(消耗電極)に電流を流しアークを発生させて溶接を行いますので、チップ先端(通電点)よりアーク発生点までが全て抵抗となり、送給速度が一定の場合突き出し長さの変化により次のような不具合が発生します。①突き出し長さ長い→抵抗値が大きくなり溶け込みが浅くなったり、ワイヤの振動等によるビードの蛇行、シールドが悪くなりブローホールが発生し易くなります。②突き出し長さ短い→溶接線が見えにくくなったり、ノズルにスパッタが付着し易くなり前号でご紹介した不具合が発生しやすくなります。

  <ロボット全体写真>     <チップ先端写真>       <チップ先端図解>

     

 

適正なワイヤ突き出し長さで使用してください。

対策方法としては、適正なワイヤ突き出し長さで使用していただく事で、一般的には溶接電流250A以下では約15mm程、250A以上では約20~25mm程度となります。(ワイヤ径により若干値は変わります。)