2024年03月26日

工場の自動化(FA化)のメリットとデメリットについて

目次

1. 工場の自動化(FA:ファクトリーオートメーション)とは?

2. 自動化(FA)のメリット

3. 自動化(FA)のデメリット

4. まとめ

 

 

 

1.工場の自動化(FA:ファクトリーオートメーション)とは?

 

工場の自動化とは、製造工程において現在人で行っている作業を、機械や産業用ロボット等を活用して、人の手を使わずに作業を行うことを指します。

主に1950年代から製造業で行われ始め、1965年頃に産業用ロボットが現場で実用化され始めて、今日に至っております。

又、2000年代に「 インダストリー4.0 」というコンセプトが登場し、AIやIoTを活用することで「 自動化(FA) 」の実現に繋がる製造プロセスの改善や

生産効率化を目指した動きが活発になっております。

但し、自動化といっても工場内の完全無人化を行っていくものが全てというわけではなく、人で行っている作業を細分化し、

必要な作業のみを機械化・ロボット化していくことが効果的な自動化を行うことに繋がるとされています。

労働人口減少が加速しつつある日本においては、
労働人口が減少しても、今現在もしくは今以上の生産量を維持していく為に、
最も取り組むべき事項として注目されております。

 

 

2.自動化(FA)のメリットとは

 

では先ほど自動化の必要性について少し触れましたので、そのメリットをここではお伝えしてまいります。

 

1.生産品質・生産量の安定

人による生産の課題の一つに「 作業者の技量やメンタル・体調によって作業スピードや安定性に大きく差が出てしまうこと 」にあります。

その日の作業者が新人の方であれば、熟練者と比較すると作業スピードも安定性も落ちてしまうことは当然ですし、

熟練者でもその日の体調がすぐれなかったり、何か大きな悩みを抱えていると、通常時よりも作業スピードも安定性も落ちてしまいます。

その為、計画通りに生産を行うことができなかったり、計画段階から低めの稼働率を設定する必要があります。

それに比べ、機械若しくはロボットにて自動化を行えば生産効率が変動しませんので、常に同じ生産スピードで安定性をもった

生産が可能となり、常に同じ製品を同じ生産量で製造できることがメリットの一つとして挙げられます。

 

2.労働環境改善

製造工程によっては、作業者に大きな負担がかかる作業は数多く存在します。

具体的には高温・多湿といった悪環境での作業、重量物の搬送作業、有害物質の発生する環境下での作業などが挙げられます。

こういった作業を人に任せていると、健康障害等の労働災害発生や業務への不満の高まりによる退職者の増加に繋がります。

このような作業を機械若しくはロボットによって自動化を行うことで、悪環境下での作業から社員を解放することができ、

社内の労働環境改善に繋がり、ひいては健康障害等の労働災害減少、社員満足度の向上による退職者の減少、

良環境下での作業による作業効率の向上等が見込まれます

このように人にしかできない仕事は人に、自動化できる仕事は機械・ロボットにという作業区別を行うことが求められています。

3.技術継承の容易さ

人による生産を継続するにあたっては、技術の継承が必要となります。

しかし人から人へ技術を継承するにあたって課題となるといわれることが暗黙知といわれるものです。

熟練者は卓越した技能を保有されていますが、その中には暗黙知といわれる経験的に使っている知識ではあるものの

言葉で説明できない知識も含まれる為、言語化が難しい技能も多く含まれます。

いわゆる個人の経験則や勘に基づく、ノウハウといわれるものです。

しかし、機械やロボットによる自動化を行うことで、作業工程にこのような暗黙知が発生することなく生産を行っていきますので、

極端に言えば、熟練の技術者でも今日入社した新入社員でも同じものを生産できるほど技術継承が容易となります。

 

 

3.自動化(FA)のデメリットとは

 

前述の通り、自動化には多くのメリットが存在しますが、やはりそれだけではなく、デメリットも存在します。

自動化を検討されるにあたってメリットとデメリット、どちらも把握する必要がありますので、

ここからは自動化(FA)のデメリットについて解説してまいります。

1.導入時のイニシャルコストがかかる

自動化を行う際には、ロボット1式購入費、周辺機器購入費、各種機械・電気設計工数、製作工数等が必要であり、

大きな初期投資が必要となります。その金額は導入する自動化工程によって様々ですが、

例えばロボット1台を活用した加工機1台に対してのワークの投入・排出(マシンティンディング)工程で

1000~1500万程度かかるといわれています。ただ近年、このような自動化に対する補助金制度が増加しており、

モノづくり補助金・モノづくり補助金(省人化枠)・事業再構築補助金等を活用することで初期投資を低減することができます。

 

2.導入後のランニングコストがかかる

自動化に活用する機械・ロボット・周辺機器は定期的なメンテナンスが必要なものがほとんどで、

それによって突発故障の少ない、安定した生産を実現することができます。

その為、導入時にどの程度の保守・メンテナンスコストが必要となるのかを把握し、償却期間を算出しておく必要があります。

 

3.自動化設備運用に必要な知識を身に着ける必要がある

導入する自動化機器に関して、基本的には製作したメーカーに対応を依頼すれば問題ありませんが、

いわゆるチョコ停といった微小なトラブルへの対応に都度メーカーを呼んでしまうと

対応費用が発生してしまいますので、簡単なトラブルシューティング等を自社で対応できる必要がありますので、

多少の知識を身に着ける必要があります。

 

 

 

4.まとめ

工場の自動化はこれからの製造現場にはなくてはならないものです。

しかしだからと言って安易に導入を進めてしまうと、導入コストだけかかってしまい求めていたメリットを生み出さないまま

終わってしまいます。その為、メリットとデメリットを把握して導入を検討する必要があります。

ロボットを扱って40年以上の弊社ではこれまで、初めて導入を検討される方から100台以上活用されている方まで

数多くの様々な方の自動化のお手伝いをしてきました。

どんな工程の自動化での検討させて頂きますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。

これまでの導入実績を含めてご紹介させて頂きます。