2025年07月01日
コラム

吊り下げコンベアへの搬送作業の課題と自動化について

 

 

目次

1. 吊り下げコンベアへの製品搬送作業の課題

2. 吊り下げコンベアへの製品搬送作業を自動化する際のポイント

3. 事例紹介

 

1. 吊り下げコンベアへの製品搬送作業の課題


 

吊り下げコンベアを活用した製品の搬送は「塗装・乾燥工程」「組立工程の中間搬送」「焼き入れ・加熱工程」等、

様々な製造ラインの工程に活用されております。

しかしこの作業はまだまだ人手の作業が多く、大きく以下の3つの課題が挙げられます。

吊り下げコンベアへの製品搬送作業における一般的な問題点を3つ挙げます。

 

人による吊り下げコンベアへの製品搬送作業の課題

1.作業者の身体的負担と安全性のリスク

 重量物の取り扱い:製品によっては重量が重く、それを繰り返し持ち上げて吊り下げコンベアのハンガーに引っ掛けたり、載せたりする作業は、

 重量物の取り扱い作業者の腰・腕・肩に大きな負担をかけ、腰痛などの職業病に繋がる可能性があります。

 危険動作物への作業:動作している吊り下げコンベアへ製品を投入することとなり、

 危険動作物への作業搬送作業中にコンベアへの巻き込みといった労働災害のリスクが伴います。

2.生産性・品質のばらつきとヒューマンエラー

 不安定な生産に繋がる:作業者の熟練度や体調・疲労度によって、作業スピードや正確性にばらつきが生じます。

 不安定な生産に繋がるこれにより、生産ライン全体の速度が安定せず、効率が低下する原因となります。

 不安定な生産に繋がる又、コンベアへかける製品の向き、位置が作業者によって微妙に異なることで、

 不安定な生産に繋がる後工程での加工精度に影響を与えたり、製品の損傷や不良品発生に繋がります。

 ヒューマンエラーの発生:人が行う作業である以上、誤った製品の投入、投入忘れ、向きの間違いなど、

 ヒューマンエラーの発生ヒューマンエラーが発生する可能性し、不良品の発生や生産ロスに直結します。

3.人件費の上昇と人手不足

 人件費:搬送作業は単純作業の繰り返しですが、当然作業者を配置する必要があります。さらに1人では到底生産に間に合わないため、

 人件費複数人作業となってしまうため、より人件費が膨大となります。

 人材の確保と定着の難しさ:前述の身体的負担や単調な作業内容から、この作業は敬遠されがちで、採用が難しい場合があります。

 人材の確保と定着の難しさまた、せっかく採用しても定着率が低いという問題も発生しやすくなります。

 

これらのことから吊り下げコンベア(塗装ラインコンベア・オーバーフローコンベア)への製品搬送の自動化を進めることは

 人手不足が加速するこれからの時代には必須といえます。

 

しかしこの工程を自動化するにあたっては様々な注意点・ポイントが存在します。

 

 

 

 

2. 吊り下げコンベアへの製品搬送作業を自動化する際のポイント


 

吊り下げコンベアへの製品搬送作業は「常に動作し続けているコンベアに対して正確に搬送しなければならない」ことから

自動化するためには以下のようなポイントを把握する必要があります。

吊り下げコンベアへの製品搬送を自動化する際の要点は、以下の3つにまとめられます。

 

1.正確な位置決めと同期

 製品の正確な位置決め:搬送する製品の位置に再現性がなければ搬送中にコンベアと干渉する可能性があるため、

 製品の正確な位置決め:正確な位置決めもしくはカメラなどによる正確な位置補正機能が必要となります。

 コンベアとの同期:吊りかけ位置を正確に把握しながら動作速度に合わせて、搬送ロボットの動作を正確に同期させる必要があります。

 コンベアとの同期:パルスコーダ等を用いてコンベアの移動量を常に把握し、リアルタイムでフィードバックを行うシステムが必要となります。

2.多様な製品への対応と段取り作業

 多品種少量生産への対応:異なる形状、サイズ、重量の製品が搬送されることが多いため、それらに柔軟に対応できるシステムが必要です。

 多品種少量生産への対応:ツールチェンジャーなどを活用した多品種への対応機能が必要です。

 段取り時間の短縮:製品の切り替えが発生した場合に、迅速に品種切り替えができることも重要です。

3.コンベアの動作を止めない仕組み

 異常検知とエラーリカバリ:製品の落下やロボットの異常などが発生しても、コンベアを止めないシステムを構築しなければなりません。

 異常検知とエラーリカバリ:そのためにはロボットハンドの緊急パージ等の対策を検討しておく必要があります。

 システムの信頼性向上:システムの耐久性やメンテナンス性、および故障時の復旧の容易さが重要です。

 

作業者による作業を見ると一見、吊り下げコンベアへの搬送作業の自動化は簡単そうに見えますが、

経験豊富なシステム製作会社(ロボットSier)に依頼することが成功のカギとなります。

 

 

3. 事例紹介


 

吊り下げコンベアへの製品搬送の自動化についてご説明してまいりましたが、ロボット一筋40年以上の弊社では

数多くの吊り下げコンベアへの製品搬送の自動化システムを構築してきました。

その一部をご紹介いたします。

 

塗装工程への吊り下げコンベア搬送作業システム

自動車部品を塗装工程へ移送するために、吊り下げコンベアへ製品を搬送する作業を自動化しました。

・省人効果:作業者1名削減

・導入コスト:1400万

・投資回収年数:2.5年

 

 

焼き入れ工程への吊り下げコンベア搬送作業自動化システム

琺瑯製品を焼き入れ工程へ移送するために、吊り下げコンベアへ製品を搬送する作業を自動化しました。

・省人効果:作業者1名削減

・導入コスト:1600万

・投資回収年数:3年

 

 

 

弊社は自動化システム製作からティーチング、修理・メンテナンス、中古売買まですべてを自社一貫対応することができます。

40年以上の確かな実績と経験を基に最適なご提案をさせていただきます。

 

吊り下げコンベアへの搬送自動化を検討されている方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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