ロボットのメンテナンス周期と日常メンテナンスについて

事例1 ハンドリング仕様の場合

ロボットメンテナンス周期について

日常メンテナンス箇所

1

ロボット本体の確認

・油分の滲み有無確認
・振動、異音、モータの発熱有無確認
・オイルゲージの確認
・外観的な汚れと損傷確認

2

ハーティングコネクタの緩み

・損傷の有無確認
・接続緩みの有無確認

3

制御装置の損傷

・外観損傷の確認
・冷却ファンの動作確認

4

ティーチングペンダントの確認

・液晶の表示状態の確認
・キーシートの損傷有無確認
・外装の損傷、割れ有無確認

5

ティーチングペンダントケーブル外観

・損傷やねじれの有無確認

事例2 アーク溶接仕様の場合

ロボットメンテナンス周期について

日常メンテナンス箇所

1

ロボット本体の確認

・油分の滲み有無確認
・振動、異音、モータの発熱有無確認
・オイルゲージの確認
・外観的な汚れと損傷確認

ロボット本体 各種パーツの確認

・トーチケーブルの損傷確認(a)
 ライナー、インナーの交換確認
・絶縁ベークの損傷確認(b)
 スパッタ等の付着、
 割れ、溶け落ち有無確認
・パワーケーブルの損傷確認(c)
・フィードローラーの簡易清掃(d)
・フレコンの損傷確認(e)

2

ハーティングコネクタの緩み

・損傷の有無確認
・接続緩みの有無確認

3

制御装置の損傷

・外観損傷の確認
・冷却ファンの動作確認

4

ティーチングペンダントの確認

・液晶の表示状態の確認
・キーシートの損傷有無確認
・外装の損傷、割れ有無確認

5

ティーチングペンダントケーブル外観

・損傷やねじれの有無確認

ロボットの安全対策について

ロボットの自動化における労働安全衛生法令について

1

産業用ロボットの特別教育について

ロボットを操作する為には、労働安全衛生法第36条で定められた「産業用ロボット教示等特別教育」を受講しなければなりません。

これは弊社でも定期開催しておりますので、これからロボットシステムを操作される方は受講をご検討ください。

科目 範囲 時間
産業用ロボットに関する
知識
産業用ロボットの種類、
各部機能及び
取り扱いの方法
座学
2時間
産業用ロボットの教示等
の作業に関する知識
教示等作業の方法、
教示等の作業の危険性、
関連する機械等との
運動方法
座学
4時間
関係法令 法令及び安衛則中の
関係条項
座学
1時間
産業用ロボットの
操作方法
- 実技
1時間
産業用ロボットの
教示等の作業の方法
- 実技
2時間

2

ロボットの設置(安全面)について

産業用ロボットの設置についても、労働安全衛生法令上にて定められています。

〇設置条件

・柵又は囲いの設置
・必要に応じてエリアセンサーなどの設置
・シグナルタワーなどでの動作状況の周知徹底

3

リスクアセスメントについて

リスクアセスメントの実施は2006年4月1日以降に労働安全衛生法第28条の2で努力義務とされております。

当然これはロボットシステムにも当てはまりますので、リスクアセスメントを実施し、安全に活用する必要があります。

4

法改正(溶接ヒューム等)の把握について

安全対策を定めている労働安全衛生法は適宜改正されます。近年の改正では、労働者への健康障害発生のリスクが高い化学物質として溶接ヒュームが加わり、溶接ヒュームばく露防止措置が求められるようになりました。

■法改正に伴い必要となる措置(令和3年4月1日以降順次施工)
・全体換気装置による換気
・空気中の溶接ヒューム濃度の測定
  ・換気装置の風量増加等必要な措置
・床の掃除等
・呼吸用保護具の使用
・特定化学物質作業主任者の選任
・特殊健康診断の実施

ロボットに対する法令も改正されていく可能性がありますので、都度把握し、法令を遵守するよう努めなければなりません。