システムアップ
経済産業省の「 ものづくり人材の確保と育成 」によれば製造業の就業者数はこの18年間で157万人減少しております。
実際に各企業もこれを体感しており、中小企業における製造業の従業員数過不足DIは2021年の第1四半期は-3.7%となっております。
「 ものづくりの人材の確保と育成 」:https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2021/pdf/honbun_1_2_1.pdf
このことから今後は自動化が必須になるといわれており、実際に多くの製造業でロボットを活用した自動化・省人化システムの導入が進んでおります。
弊社はそんな自動化・省人化システムのご要望にお応えして、ロボットシステムの設計・製作を30年以上行ってきました。
そんな省人化・自動化の実績を一部ではありますが、ご紹介致します。
※従業員数過不足DIとは・・・今期の従業員数が「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不足」と答えた企業の割合(%)を引いたもの
協働ロボットを活用した圧入加工機へのワークの投入・排出システム
樹脂製品の製造を行っている企業様へ導入したファナック製協働ロボット CRX-20iA を活用した加工機へのワークの投入・排出システムとなります。
通い箱に入った加工前製品及び加工後製品は、専用の自動搬送コンベアを作成し自動供給を実現させ、又、圧入用のブッシュの供給も必要なのですが、パーツフィーダーとワークリフター及びリボンシュート等を活用することで、こちらも自動供給を実現しております。
通い箱の供給、ワークの加工機への投入・排出、通い箱の排出を3名の作業者様で実施されておりましたが、このシステムを導入することにより、定期的な通い箱の供給・排出とブッシュのパーツフィーダーへの供給を行う作業者1名でラインを稼働することができるようになりました。
費用対効果としては2名の人件費を削減することができましたので、
年間600万円ほどの人件費削減に成功しております。
回転傾斜2軸ポジショナーを活用したアーク溶接ロボットシステム
建機部品の製造を行っている企業様へ導入したファナック製アーク溶接ロボット M-10iD_10L を活用したアーク溶接システムとなります。
直径1m近くある円形のワークに対して36か所もの多数点のアーク溶接を熟練の溶接工で実施されており、一つのワークの生産に1時間以上の工数が必要な危険作業でした。さらにアーク溶接は一朝一夕で習得できる技術ではなく、実施できる溶接工の方も高齢化が進んでおり、技術継承ができないことも問題となっておりました。そこで本システムを導入頂いたことにより、作業者の危険な重労働からの解放と溶接技術のデータ化による継承を行うことができました。こちらの企業様は本システムが初めてのロボット導入でしたが、メーカーでの事前溶接トライの実施や無料のロボット操作体験等を行うことで、「 初めてのロボット導入に対する漠然とした不安 」を少しずつ解消させて頂きつつ、ロボットに対する理解も深めていただきました。結果、導入効果を実感頂けましたので大変喜んでいただくことができました。
費用対効果としても1名の人件費を削減することができておりますので、
年間400万程度の人件費削減に成功しております。
3Dビジョンを活用したばら積みピッキングシステム
半導体部品の製造を行っている企業様へ導入したファナック製協働ロボット CRX-10iA を活用した3Dビジョンばら積みピッキングシステムとなります。
本システムへのご要望のポイントは大きく、1.ばらばらに通い箱に入ったワークを自動で取り出したい 2.ロボットシステムが稼働していない間はそのスペースを空けておきたい という2点でした。このご要望を叶える為、各種安全装置を具備し安全柵が不要な状態にした協働ロボットを活用し、そのロボットアームに3Dビジョンをオプションとして取り付けることで、ロボットシステムを台車のように人で動かせるシステムとして構築することができ、不要なときには片づけることのできる究極の省スペースシステムになりました。又、移動した際に位置再現性がないため、位置ズレを起こすのですが、Mechmind製の3Dビジョンで位置補正を行うことでその問題を解決しております。
よくある質問
質問
ロボットシステムを購入するにはどの程度の予算が必要ですか
回答
ロボットシステムは搬送・組立・検査・バリ取り・溶接等、多種多様な工程に使用されており、工程規模も様々です。その為、システムの価格も一概にいくらとお伝えすることが困難ですが、傾向としましてはロボットシステムにかかる費用は1000万以上かかることが多いです。
もう少し具体的な事例で言いますと、搬送工程であればおおよそ2000万前後というケースが多くみられます。また、検査工程であれば、通常のシステムに追加して検査用のカメラが必要となる分、高額になることが多くなります。
ロボットシステムは効果の高いシステムな分高額なものとなります。だからこそ、本当に自動化を必要とする工程を選択し、どれだけの期間で償却できて、どれだけの費用対効果を生むのかというシミュレーションを行った上で、導入することが必要不可欠なものであるといえます。
質問
初めてロボットシステム導入を検討しております。失敗しない為には何に気を付ければよいですか
回答
初めてロボットシステムを導入されるユーザー様に起こりうる想定外(失敗)は、次のような場合に起こっています。
それは、初導入のシステムに「多品種対応」「多工程対応」を求め、あらゆることを全て一つのシステムで対応させようとする場合です。多品種・多工程に対応する場合は事前に綿密な仕様打合せが必要となります。
しかしながら、初めてロボットシステムを導入されるお客様が、理想とされる仕様を具体的にイメージすることは困難なことが多いです。
もちろん、我々SIerがお客様のご要望を最大限汲み取りますが、実際にシステムが完成して使い始めると「○○を伝え忘れていた」や「○○の工程が必要だった」などを
お客様が後で気がつかれ改修が必要となったり、多品種・多工程対応の複雑なシステムをお客様が使いこなせないことがあります。
そうならないよう、初導入ではシンプルなロボットシステムを導入し、徐々にステップアップされることを推奨致します。
質問
ロボット導入を検討するにあたって検証をお願いした場合、どの位の費用が必要ですか?
回答
産業用ロボット、協働ロボットによる自動化・省人化システムのご相談を頂いた際の大きな流れは、
①構想設計 ②検証 ③詳細設計 ④製作/組立 ⑤ティーチング/デバック ⑥納入となります。
この②検証で具体的に何を行っているかと申しますと、自動化する工程の各要素技術が問題なく自動化できるのか、時にはロボット実機を使用して検証を行います。
例えばうまくワークを搬送できるのか、機械加工等をご要望通りに実施できるのか、アプリケーションが問題なく機能するのか等、検証内容は多岐にわたります。
従って、検証費用はどのような自動化・省人化システムなのかによって大きく異なりますし、
有償で行う場合もあれば、無償で実施させて頂くこともございます。
つきましては、一概に検証費用がおいくらなのかをお伝えすることができませんので、
まずはお気軽に下記URLよりご相談ください。
https://www.shoeitechno.co.jp/engineering
質問
産業用ロボットシステムを導入するにあたって、補助金はどのようなものが活用できますか
回答
ロボットシステム導入において活用できる補助金は大きく分けて、2つに大別されます。
一つ目は「ロボット導入実証事業」です。これはロボット工業会が経済産業省からの補助金を受けているもので、ロボットを導入される企業様の業界により少し分類が異なり、実証事業の中で2つに分類されます。まず食品・医薬品・化粧品の3品業界と呼ばれる業界のお客様は「未活用領域における導入実証事業」となり、企業様の規模にもよりますが、最大で500万の2/3が補助金の上限となります。もう一つが「公共空間における社会実装プロジェクト」です。こちらは商業施設、ホテル、飲食店といった公共空間において接客などのサービスを行うロボットを導入する為の補助金となります。こちらも企業様の規模などによりますが、最大で500万の2/3が補助金の上限となります。
二つ目は革新的なサービスや製品の開発を行う中小企業を支援する為の補助金「ものづくり補助金」です。こちらも分類は細かく分かれますが、一般的には最大500万~1000万の2/3が上限となります。こういったものをうまくご活用頂き、ロボットを導入されることをお勧め致します。
※補助政策名称・補助額等は年度毎に異なる場合があります。
質問
産業用ロボットの導入により労働力不足は補えますか
回答
産業用ロボット設備導入による労働力不足解消は可能です。
実際に弊社が今までロボットシステムを導入させて頂いたお客様で、5人作業だったタンデムプレス加工工程が1人で作業できるようになり、4人分の労働力を補填することができた事例もあります。しかしこれは一例となり、工程によっては、0.5人作業分の削減及び補填にとどまった事例もあります。
ロボットシステムを導入する上で、労働力の補填は大切な要素ですが、だからこそどれだけの労働力が補填できるかという目線だけでなく、どれだけの費用対効果を生み、どれだけの期間で償却できるのかという目線でご検討・構想頂くことが重要です。それにより自然と投資費用およびシステム概要が定まり、ユーザー様にご満足いただけるロボットシステムを構築することに繋がります
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